◆「仕事は全て段取りにかかっている!?」
この前、本屋をぶらぶらしていたときに、池波正太郎のエッセーが目にとまりました。 鬼平や剣客商売を生み出した彼の日常が垣間見えるような気がして、ぱらぱらと立ち読みしていた中に、「仕事は全て段取りにかかっている」という意味の一文がありました。
小説家になる前、株取引の丁稚として仕事をしていた彼は、「仕事の段取り」が、非常に重要だと痛感していました。
確かに、池波正太郎の言うように段取りは重要です。
会社での仕事はもちろんのこと、料理も家事も段取りがうまいと本当に気持ちよくはかどります。
また、いろんな人とうまく協力し合って仕事を遂行して行く上でも、段取りをきちんしていないと他人にまで迷惑がかかってくることになります。 その段取り(コーディネーション)をやってくれる人がコーディネーターと呼ばれる人です。
このようなことをコンピュータに置き換えて考えてみると、OSはPCのコーディネーターだとつくづく得心してしまいました.
◆コーディネーターとしてのOS
みなさん、コンピュータは、ソフトウェアなくしてはただの箱だということをよくご存知だと思います.
乱暴な言い方をすると、コンピュータを構成しているCPUやRAM、HDDは、OSと言うソフ トウェアによってコーディネーションされて、はじめていろんな仕事をやってくれるのです。
コンピュータ内部の仕事をわたしたちが日常的に経験する会社での仕事に例えてみます と・・・
キーボードから「Wordを起動してよ!」という指令が来ます.上司からの作業遂行命令です.OSという名前のコーディネーターが「はいはい、わかりました」と、指令を一旦了解します.次にOSさんはRAMさんに「RAMさん、Wordってまだあなたの中に記憶されてますか?」と尋ね、RAMさんから「はい ありますよ」と答えが返ってくれば、そこからWordが起動されるという流れです.
ときには、OSさんの呼びかけにRAMさんは「いや、最近お見かけしません」と答えることもあります.すると今度は、OSさんはHDDさんに「ちょっとWordさんを呼んできて貰えませんか?」と お願いすることになります.
このような一連のつなぎ役的な役割を果たしているのがOSなのです。
また、「WordとEXCELとPhotoshopとDreamweaver全部立ち上げるぞぉ.ファイルも1MB を開くぞぉ!はやくやれー!」とご無体なことをわがまま上司から言われてもOSは慌てません.
「はいはい、ちょっと待ってくださいね.順番にやりますから・・・」と仕事の順番を決めてパーツ(PCでいうところのスタッフ)の能力を最大限に生かせるように、調整してくれます.
(しかし、あんまり大変な仕事を一度にお願いすると、優秀且つ寛大なコーディネーターさんもとうとう倒れてしまうこともあります)
このOS(コーディネーター)あっての各パーツ(各スタッフ)なんですね.
いくらCPUが「おれはペンティアム4の2GHzなんだ!めちゃくちゃあったまいいんだぞ! 」とえばっても、OSさんがうまく使ってくれないことには、日がな一日「頭いいんだぞ!」と威張っていて仕事はしてない・・・という状況に陥ります.
(これはアイドル状態と言います.本当にそのとおりの言葉ですね.)
◆見えない力
もちろん機械のコンピュータ内部のパーツ間の関係と、人間同士の関係の複雑さは比べようもないかもしれません.しかし、それぞれの能力をうまく引き出しながら、あいだを取り持ち、動かすためのコーディネーションという点では似ている気もします.
仕事の段取りをしてくれるOS(コーディネーター)は、非常に目立ちません。
また目立ってはいけないのです。
しかし、見えない調整役であるOSが優秀であれば、PCの性能は最大限に発揮されることになります.
縁の下の力持ちであるOSの働きはとても重要です。PCを使う時にちょっとだけでもOSのことを考えながら使って頂けたらな、と思います。
このエッセイについてみなさんとMLで討議したいと思います。